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本学への寄付

周期的な生体信号時系列間にある非線形な相互作用を検出する高次スペクトル解析手法の実効性を明らかに

 

 betway必威体育大学院医学系研究科(医学専攻) 医学系研究科?医学部附属病院AIシステム医学?医療研究教育betway必威体育の安部武志助教、大学院医学系研究科(医学専攻)システムバイオインフォマティクス講座の浅井義之教授らの研究グループは、スイスのローザンヌ大学との共同研究により、周期的な生体信号を模した統計過程モデルを用いて、時系列間の非線形な相互作用を高次スペクトル解析手法で効率的に検出できることを明らかにしました。

 多数の電極を用いたEEGで計測される神経活動のような多変量の生体信号の時系列では、各チャンネルに表れる構成要素同士が相互に影響し合って生理学的機能を実現していると考えられています。しかし、古典的な周波数解析の手法にとって、要素間にある非線形な相互作用を検出することは困難な課題です。本研究では、非線形な相互作用が残す痕跡であるquadratic phase coupling (QPC)に注目し、高次スペクトル解析によってQPCを検出するための数値解析手法を提案しました。その上で、特定の周期を持つシグナルで構成される定常的な3つの時系列が非線形に影響を与える統計過程数理モデルを用いたシミュレーション研究により、cross-bicoherence解析および周波数領域2変量グレンジャー因果性解析で得られた統計量を指標として、QPCが効率的に検出できるかどうかを検証しました。検証の結果、cross-bicoherenceに基づく指標は、周波数領域2変量グレンジャー因果性に基づく指標よりも複数のシナリオで一貫して鋭敏であることを見出しました。また、臨床現場のような比較的シグナルノイズ比が低い状況であっても、この指標によりQPCを検出できることが明らかになりました。これらの結果から、本研究での提案手法は睡眠試験などの実臨床で得られた生体信号の時系列を解析する上で有用な手段となることが期待されます。
 本研究成果は、2024年4月12日付でScientific Reportsに掲載されました。

 

発表論文の情報

  • 論文名:Detection of quadratic phase coupling by cross-bicoherence and spectral Granger causality in bifrequencies interactions
  • 著 者:Takeshi Abe, Yoshiyuki Asai, Alessandra Lintas, Alessandro E. P. Villa
  • 掲載誌:Scientific Reports
  • 掲載日:2024年4月12日 14号, 8521
  • D O I:https://doi.org/10.1038/s41598-024-59004-8

謝 辞

 本研究は、JSPS科研費 JP21K12646の支援を受けて行われました。

用語解説

  • EEG (Electroencephalography):脳波検査。多数の電極を備えた装置を頭に載せ、脳神経活動を脳波の時系列として記録することで、疾患や睡眠の状態を測定することができます。
  • QPC (quadratic phase coupling) : 2つの異なる周波数成分の位相の和が、これらの周波数を足し合わせた周波数成分の位相と同期する現象。
  • cross-bicoherence:2つの周波数を引数にもつ、3次の相互相関関数であるcross-bispectrumを正規化した高次スペクトル統計量。

 

お問い合せ先

betway必威体育大学院医学系研究科(医学専攻)
医学系研究科?医学部附属病院AIシステム医学?医療研究教育betway必威体育
助教 安部 武志
E-mail:t.abe@(アドレス@以下→yamaguchi-u.ac.jp)

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